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コンポジットレジン修復(CR修復)その2
CR修復はとても簡便な接着修復治療であるが故に、個々のドクターの技術の差がとても出やすい治療です。
CRには、流れの良い「フロー」と固形の「ペースト」の2タイプあります。
特に近年は「フロー」の物性が向上し、流れの良い方が削って詰めやすいという事から、「フロー」を多用している状況があります。
日々、患者さまの口腔内を見ると、この「フロー」によるCRがとても多いです。
この「フロー」が曲者で、咬合面形態を無視して詰められているケースが多いので、本来の歯の溝や咬頭の形態が無く、のっぺりとした形態になっています。
私自身は咬合面形態の再現には必ず「ペースト」の方を使用します。
ペーストを盛り上げてから患者さまに噛んで左右に動かしてもらい、余剰分を除去して咬合面の形態を溝から形成していきます。ドクターによっては、光で固めてから削って溝などを形成すれば良いなどと言う方もいますが、それは正しくはありません。そう言う事をしてしまうと、逆に研磨が大変になるので、いかに最小限な器量で最大の美しい仕上がりをさせるかが大切な事です。
単純な治療であるが故に奥が深く、とても技術者の良し悪しが出やすい治療なのです。
歯科医師は職人だと私は思っています。私自身、補綴科の大学院で医局に在籍していた頃は、クラウンやブリッジ、入れ歯などを深夜2時頃まで技工室に残って作ったりしていました。医局に在籍した頃は、特訓などもありワックス棒を削って歯の形態を再現したり、入れ歯の配列をしたり、様々なことをやってきました。おそらく、いまの歯科医師の先生方はそんな事はしてきていないでしょう。単純に歯科技工士さん任せで、自身で一から製作してきた先生はとても少ない時代です。今にして思えば、そういう小さな積み重ねが、いまの自分の大きな糧になっているんだなと、日々の診療でも感じています。
CR修復も小さな事だけれども、その小さな事でもどれだけこだわりをもって治療するかで、とても大きな差が生まれる治療です。
CR修復には『ダイレクトボンディング法』という自費の治療もあります。
これは色の違うペーストを何層にも変えて歯のグラデーションに合わせるので、本来の歯の色にとても近い色に仕上げることが出来ます。
保険のCR修復は1種類の決まった色しか使えないので、どうしても個々の歯の色に合わないことが一番大きな欠点です。 続きます…
自費用のCR修復材料には、様々なバリエーションの色があります
ダイレクトボンディングは色調再現性が高く、患者さまの満足度も大きいです
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